循環器内科
高血圧症の診断・治療について
血圧を下げる降圧薬は分類にもよりますが薬効別で5種類以上、それぞれに特徴の違う多くの薬品が存在し、また1剤で充分な効果を得られる方のほうが少ないことを考えると、その組み合わせは膨大な数になります。患者さんの体質、生活などに合わせて適切な組み合わせを提案することは実は簡単なことではありません。
当院では経験豊富な循環器専門医が適切な降圧薬の組み合わせを提案させていただくことはもちろん、ホルモン異常に代表される『本来は降圧薬以外の治療が必要とされる別の病気』がないかどうか、という精密検査も行っております。また3種類以上の薬を内服しても充分な改善が得られない難治性高血圧の方に対して、精密検査の結果、適応があればカテーテル治療なども施行しております。適切な診断から継続的な治療まで、高血圧症について一貫した体制をもってご相談に応じます。
心不全の診断と治療について
実は『心不全』とは単独の病名、ではなく心臓の機能が低下することで様々な症状・トラブルを起こす状態、を示す一種の『症候群』のことをいいます。つまり、心筋梗塞、不整脈、高血圧など、あらゆる病気が原因で心不全は起こりえますし、年齢を重ねていくことで心臓のしなやかさが失われる(専門用語では拡張障害、といいます)だけでも心不全状態となることがある、ということです。
ですので、心不全、を診断するためには単に心臓の状態をみるだけでなくあらゆる心疾患・循環器疾患の検査が不可欠ですが、当院では血液検査・超音波検査・CT・カテーテル検査など、多くの検査機器を駆使して心不全の的確な診断をさせていただきます。
心不全の治療についても、原因疾患ごとに治療内容が変わりますが、基本は疲弊した心臓の負担をとることと補助をすること、が中心となります。
<手術治療>
手術に関しては、虚血性心疾患の診断と治療、不整脈の診断と治療、を参照ください。
<薬物治療>
薬物治療に関して、通常の病院と同じように入院しての点滴薬物治療が可能ですし、重症の患者さんにおいては、人工呼吸器・透析・補助心肺装置の使用が可能です。外来においても適切な内服薬を経験豊富な循環器専門医が細かな調整をしながら治療に当たります。
当院で特徴的なことは、入院するほどではないけれど内服の治療だけでは改善が難しいといった場合、外来点滴治療を受けることも可能です。患者さんの状態にもよりますが、外来にて月に複数回、数時間から半日程度点滴をすることで、入院の頻度が劇的に減る方もおられます。またより病状の悪い方は在宅往診も行っておりますので、症状のつらい中病院まで通院しなくとも、ご自宅での点滴加療、在宅酸素、在宅人工呼吸器の管理まで行うことが可能です。
<心臓リハビリテーション>
実は心不全の再発予防においては、心臓リハビリテーションの果たす役割が極めて大きいとされています。
心臓病を起こしたあとは、必ず適度な運動をしてください、といわれると思います。具体的に適度、とはなんでしょうか。心不全の患者さんにおいては、心臓にトラブルを起こすような過度の負担がかからないよう、かつしっかりとした運動効果があがる負荷、ということになります。心不全の患者さんがリハビリテーションを行うことで得られるとされる良いこと、は下記のようなものがあります。
心臓リハビリテーションを行うことで改善されること
●精神面で自信がつき、不安やうつ状態から改善され、気分が楽になります。
(生活の質 Quality of life(QOL)が改善される)
●動脈硬化のもとになる冠危険因子である糖尿病や肥満、脂質異常症、高血圧などが改善されます。
●血管内皮機能(血管が自分で広がる能力)や、自律神経の働きがよくなることで、血液中のBNP(心臓に負担がかかると増加する心臓ホルモン)が低下します。
●心不全の悪化による再入院や死亡の危険性が低くなります。
当院では心臓リハビリテーション指導士という専門資格を持った指導者が4名在籍しており、その監修の元、血圧、心拍数などをモニタリングしながら総合的な運動療法を受けることが可能です。心臓リハビリテーションは継続することが大切であるとされながら、退院した後に外来でリハビリテーションを継続できる施設はまだ数が多くありません。
他の病院に通院しておられる患者さんでも、そのまま通院を継続頂きながらリハビリテーションのみを目的として当院に来ていただくことももちろん可能です。心臓病をお持ちの方、是非一度ご相談ください。
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