心臓リハビリテーション

2024年06月11日

心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)とは、心臓病の患者さんが、体力を回復し自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することをめざしておこなう総合的活動プログラムのことです。

心不全、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後などの患者さんは心臓の働きが低下し、また安静生活を続けたことによって運動能力やからだの調節の働きも低下しています。そのためすぐには強い活動はできませんし、またどの程度活動しても大丈夫なのかが分からないために不安もあります。これらに対して心臓リハビリで適切な運動療法を行うことが役に立ちます。心臓リハビリでは、専門知識を持った多くの専門医療職がかかわって、患者さん一人ひとりの状態に応じた効果的なリハビリプログラムを提案し、実施します。

心臓リハビリテーションの効果はこれまでの研究によって多岐にわたり証明されています。 具体的には、心臓リハビリを行うことにより、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)の患者さんでは心血管病による死亡率が26%低下し、入院のリスクが18%低下します。また心不全の患者さんではあらゆる入院が25%減少し、心不全による入院が39%減少することが証明されています。さらに心臓リハビリに参加することにより、生活の質(Quality of life)が改善し、毎日をより快適に過ごすことができるようになります。

心臓リハビリテーションには以下のような効果があることが証明されています。

・運動能力・体力の向上により、日常生活で心不全の症状(息切れなど)が軽くなる

・筋肉量が増えて楽に動けるようになり、心臓への負担が減る

・心臓の機能が良くなる

・血管が広がりやすくなり、身体の血液循環がよくなる

・動脈硬化が進みにくくなり、既にできている動脈硬化性プラークが小さくなる

・血管が広がって高血圧が改善する

・インスリンの効きが良くなって血糖値が改善する

・自律神経が安定して不整脈の予防になる

・運動を行うと仕事や家庭生活、社会生活の満足度が高くなる

愛北ハートクリニックには4名の心臓リハビリテーション指導士が在籍しており、心臓リハビリテーションに力を入れています。ご自身が心臓リハビリの適応となるのか、どういったことをするの?など、ご質問がございましたらスタッフまでお気軽にご相談ください。

投稿者:副院長 心臓リハビリテーション指導士 熊谷 宗一郎