10月11日はLDLコレステロールの日

2024年10月04日

厳しい残暑が続いておりましたが、いつの間にか少し暑さが和らいでしのぎやすくなりました。

さて、本日はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)についてのお話です。

日本動脈硬化学会、日本循環器協会が10月11日をLDLコレステロールの日、と制定し高LDLコレステロール血症治療の啓蒙活動をしておりまして、血管病の一専門医である私も少し参加したいと思います。

私が医師免許を取得した20数年前にはサイレントキラー(沈黙の殺し屋)という言葉をよく耳にしました。自覚症状が全くないながら脳出血などを突然引き起こす高血圧症に対して主に使われていた言葉だと思いますが、最近はLDLコレステロールこそまさにサイレントキラーではないかとよく思います。

高血圧症に関しては血圧測定できる機会・場所や管理アプリなども増えて比較的自覚しやすくなってきた一方で、高LDLコレステロール血症に関しては血液検査を受ける以外にほぼ自覚することができず、また症状もないながら心筋梗塞、脳梗塞の極めて強いリスク因子であるためです。

さらにいえばその方のもっておられるリスク因子によって140mg/dlの数値でよいとされる方もおられれば70mg/dl以下と推奨される方がおられるなど、患者さんの背景によって管理目標値に2倍も差があること、HDL(善玉)コレステロールの数値や喫煙の有無などによっても目標に差が生じるため単純にLDLがいくつだからこう、ではなく患者さんおひとりおひとりの環境にあわせてテーラーメイドで診断管理が望ましく、健診などを受けて数値が出てもその方にとってその基準値で本当によいのか、という難しさもあります。

狭心症や心筋梗塞・脳梗塞などをすでに発症してしまった方はもちろんですが、発症前から一次予防として積極的に治療をする価値のあるLDLコレステロールについて、一度専門医の意見を参考になされてはいかがでしょうか。

健診データをお持ちいただければそちらで、なくても院内採血で当日中にLDLコレステロールの検査を行い、適切な管理目標設定とアドバイス、必要がありましたら治療の提案をさせていただきます。

いつでもお気軽にご相談ください。

投稿者:副院長・心血管カテーテル治療専門医 熊谷 宗一郎